「あなたは神などではありません。ただのクレイジーなテロリストです」
そう言い放つ、奴や他の連中の顔は、いかにも馬鹿。
本当に、言ってもわからぬ馬鹿ばかり。
この1年のすべては、あるノートを拾ったことから始まった。
ハックノート。
世界中にあるどんなウェブサイトでも思い通りにハッキングできるというものだった。
最初こそ疑っていたが、それは紛れもなく本物であった。
ノートには魔力のようなものを感じた。
象徴的なものが死神である。
死神とは、1冊のノートに1体憑いているらしく、いかにも死神らしい恰好をしている。その姿や声はノートに触ったことのあるものにしか認知できない。
驚いたが、死神を見た時に僕はある決心をすることができた。
この腐りきった世界を変えてやろうと思ったのだ。
僕は仲間を集めて、「アノニマス」という組織をつくり、腐った政府、麻薬組織、ワイロ―――公的文書・個人情報の公開、ウェブサイトの改変、なんでもやった。とにかく、腐ったりんごは削除しなければならないと思った。
ハックノートは1冊だけではないらしい。
世界中に点在していて、同じように死神が憑いているとのことだ。
どうでもよかったが、僕の趣味でないハックがメディアをにぎわせていることがよくあった。大手ファーストフード店のSNSアカウントハックなどだ。おそらくハックノートの仕業だろう。
ノートは誰が何のために創ったのか。
それを死神に聞いても、いつも「お前に教えることはできない」というばかりであった。
そしていま、憎たらしいことに、この腐ったクズどもが、理想の世界の完成を崩そうとしている。
「僕は新世界の神になるんだ。お前らのような、腐った人間どもを駆逐してな!」
間をおいて、奴は答える
「あなたは神などではありません。ただのクレイジーなテロリストです」
言ってもわからぬ馬鹿ばかり。
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- 【特集】国際的ハッカー集団アノニマスの活動まとめ
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