2013年5月7日火曜日

3Dプリンタで「人間のレプリカ製造」に成功


人間は量産されるようになった。 


身体は3Dプリンタされ、脳や思考はプログラミングされる。

模造人と呼ばれるコピーされた人間たちの精度はほとんど完成されていた。ほんのわずかだけ、身体の中に金属が埋めこまれていて、それと自己申告以外では到底区別ができない。

つまり、人間を大量生産できる時代となったのだ。



模造人は様々な場所で活用される。

表向きに1番使用されているのは、亡くなった人のコピーをつくることだ。突然の事故で大切な人を亡くした時、不運にも病気で家族が死んでしまった時、そんなときにも故人のDNAと身体からコピーを作成することができる。もちろん本人の記憶や性格、身体もそのままで、前述もしたように、身体に埋め込まれた極小金属以外に違いはない。それはコピーであってコピーでない、もはや同じものなのだ。

また、お金を払い、ビジネスに使用するものもいる。その場合、最低限の判断力だけを持たせ、複雑な感情を持たせることはしないが、同質な顔を持つ人間が並ぶさまは異様だ。

そして、子供ができない人に彼ら好みの模造人をつくることもできる。プログラムを少し変えれば、運動、賢さ、あらゆる点をコントロールすることができるのだ(その分お金はかかるのだが)



世界中に模造人が増え始め、社会やコミュニティの中にも溶け込み始める。

数が増え始めると、「模造人」たちは「模造人」と呼ばれることに反発を覚え始めた。それはそうだ。周りから見ても人間として違和感がないのだから、本人たちが1番違和感を覚えるだろう。模造人たちは、聞かされるまでは、自分がコピーされたということすら知らないのだ。つまり、彼らが主張しているのは、「模造人」にも人間としての人権を与えるだけでなく、「人間」であると認めろということだ。

こうして「模造人」は「人間」となり、コピーと本物は入れ乱れる。新しい人間が生成される。

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